防草シートの相談で「どの密度を選ぶか」は熱心に検討されるのに、固定ピンは「とりあえず付属のもので」で済まされがちです。しかし実際の現場で起きるトラブル——端がめくれる、ピンが抜ける、シートが裂ける——は、そのほとんどが固定の問題です。
防草シートは「敷く」より「留める」で仕上がりが決まります。
- ピンの形状は好みではなく、地盤の硬さと風の強さで選ぶ
- ワッシャーは必須。ピン単体だと一点に力が集中してシートが裂ける
- 必要本数の目安は約50cm間隔=1㎡あたり約4本
- 法面・強風地・長期運用なら、太くて長いステンレス製を選ぶ
3種類のピンの違い
当社で扱っているのは U型・I型・L型の3種類です。違いは「打ち込みやすさ」と「抜けにくさ」で、どちらを優先するかが地盤によって変わります。
| 種類 | 寸法 | 入数 | 向いている地盤・現場 |
|---|---|---|---|
| Uピン&ワッシャーU-PIN | φ4mm × 200mm | 100セット | 土・砂質の一般的な地盤。標準の固定具。2本の脚で土を掴むため安定して効く |
| Iピン&ワッシャーI-PIN | φ5mm × 200mm | 100セット | 硬めの地盤・砕石混じり。直棒で太いため、まっすぐ打ち込める |
| Lピン(ステンレス)L-PIN | φ7.5mm × 300mm | 200本 | 法面・軟弱地盤・強風地。最も太く長い。錆びないため長期固定向き |
Uピン:迷ったらこれ
いわゆるコ型・U字のピンです。2本の脚が土を掴む形状で、土や砂質の一般的な地盤では最も安定します。出荷本数も一番多い標準品です。
ただし砕石混じりや締まった硬い地盤では、打ち込むときに脚が曲がることがあります。硬い地面に何本も打ち込む現場では、次の I ピンが向きます。
Iピン:硬い地盤に打ち込みたいとき
1本の直棒形状です。Uピンより太い φ5mm で、まっすぐ力を伝えられるため、硬い地盤や砕石が混じった地面でも打ち込みやすくなります。
Lピン:抜けては困る場所に
φ7.5mm×300mm と、3種類のなかで最も太く長いピンです。ステンレス製のため錆びません。
法面や軟弱地盤では、200mm のピンでは保持力が足りず抜けます。また強風地では、本数を増やすよりピンを太くしたほうが効果的です。10年以上運用する現場では、鉄製ピンが錆びて固定力が落ちるという問題も起こりますが、ステンレスならシートの寿命まで持ちます。
ワッシャーを省略してはいけない理由
ピン単体で打ち込むと、シートに力がかかるのはピンが刺さった一点だけです。風でシートが持ち上がると、その一点に荷重が集中し、シートが裂けてピンが抜けます。抜けたピンは現場に残り、草刈り機や車両のタイヤを傷める原因にもなります。
約59mm のワッシャーを併用すると、力が円形に分散します。同じ風を受けても裂けにくく、シート端部のめくれ上がりも抑えられます。ピン代に対してワッシャーの追加コストはわずかですから、省略する理由はありません。
なお当社のワッシャーはブラックとグリーンから選べます。シートの色に合わせると、施工後の見た目が揃います。
必要本数の目安
約50cm間隔で固定する場合、1㎡あたり約4本が概算です。面積別にまとめると次のようになります。
| 施工面積 | ピン本数の目安 | ご注文単位(Uピン100セット) |
|---|---|---|
| 10㎡ | 約40本 | 1箱 |
| 30㎡ | 約120本 | 2箱 |
| 50㎡ | 約200本 | 2箱 |
| 100㎡ | 約400本 | 4箱 |
| 500㎡ | 約2,000本 | 20箱(Lピン200本×10も可) |
| 1,000㎡ | 約4,000本 | 40箱(Lピン200本×20も可) |
| ※ 風の強い現場・法面では間隔を詰めるため、1.5〜2倍を見込んでください。 | ||
固定のポイント6つ
- 先に整地・転圧する。石や切り株など突起物を取り除き、地面を平らにします。凸凹があるとシートが浮き、ピンも効きません。
- 外周から先に留める。シートを張った状態で外周を固定し、その後に内側を留めます。先に中央を留めるとシワが寄り、風をはらむ原因になります。
- 一般部は約50cm間隔。シート端部・重ね部・構造物際は間隔を詰めてください。ここが最もめくれやすい箇所です。
- ワッシャーを必ず併用する。裂け・抜けの最大の原因です。
- 重ね幅は10cm以上、テープで目地処理。法面・強雑草地は15〜20cm。重ね部をテープで貼り合わせると、目地からの雑草侵入と風のめくれを同時に防げます。
- ピン穴と切断部をテープで塞ぐ。ピンを打った穴、カッターで切った端部は雑草の通り道になります。最後にテープで塞いで仕上げます。
テープも忘れずに
固定具というとピンばかりに目が行きますが、10cm幅の補修・固定テープも同じくらい重要です。用途は3つあります。
- ジョイント:シートの重ね部を貼り合わせ、目地からの雑草侵入と風のめくれを防ぐ
- ピンシール:ピンを打った穴を塞ぎ、穴から雑草が伸びるのを止める
- 補修:カッターで切った端部や、破れてしまった箇所を塞ぐ
PET素材に紫外線防止加工と粘着加工が済んでいるため、道具を使わず貼るだけです。長さは10m・30m・50m の3サイズ。1m幅シートを並べる施工では、シートの総延長と同程度のテープ長を用意しておくと不足しません。
既存のシートがあっても相談できます
シートは他社から調達済みで、固定具だけ必要というケースもよくあります。その場合も、既存シートの厚みと地盤の状態をお知らせいただければ、適したピンをご案内します。