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防草シートを敷いたのに草が生えた。よくある5つの原因と対策

「数年で草が出てきた」というご相談の多くは、シートの品質ではなく施工条件に原因があります。整地不足、重ね幅、砂利厚、外周処理など、現場で実際に起きている5つの失敗とその対策を解説します。

「防草シートを敷いたのに、2年で草が出てきた」——このご相談を年に何度もいただきます。そして実際に現場写真を見せていただくと、シートの品質が原因だったケースはほとんどありません。原因は施工条件のほうにあります。

裏を返せば、同じシートでも施工を変えるだけで結果が大きく変わるということです。よくある5つの原因と、それぞれの対策をまとめました。

この記事の要点
  • 「草が生えた」の原因の多くは、整地不足・重ね幅・外周処理・砂利厚・グレードの取り違え
  • いずれも施工前に決まる話で、敷いた後からは直せない
  • 逆に言えば、この5点さえ押さえれば大半のトラブルは防げる

原因1:整地をせずに敷いた

最も多い原因です。刈払いだけして、石や切り株、枯れた根が残ったままシートを敷いてしまうケースです。

突起物の上にシートを敷くと、その一点が持ち上がります。浮いた部分は風でばたつき、やがて突起物と擦れて穴が開きます。そこから雑草が貫通し、穴が広がっていきます。実際に「破れた場所からだけ草が出ている」という現場は、ほぼこのパターンです。

対策

  • 刈払い後、地面を平らに整地して転圧する
  • 石・切り株・枯れた根など、突起になるものを取り除く
  • 地下茎の残る強雑草地(竹・ススキなど)は、事前に根の処理を行う

この工程は面倒ですが、ここで手を抜くと必ず後で出てきます。お客様からも「地面が凸凹していると浮き上がりやすいので、整地するとよりよい」という声をいただいています。

原因2:重ね幅が足りない

シートを並べるときの重ね幅が5cm程度しかない現場をよく見ます。これでは足りません。

地面は季節や降雨で微妙に動きますし、風を受ければシートもずれます。重ねが浅いと目地が開き、その隙間から一列に草が生えてきます。「継ぎ目に沿って線状に草が生えている」なら、原因はこれです。

対策

  • 重ね幅は10cm以上を標準とする
  • 法面・強雑草地では15〜20cmに広げる
  • 重ね部は10cm幅の補修・固定テープで貼り合わせ、目地を塞ぐ
  • 重ね部のピンは間隔を詰めて打つ

原因3:外周からの侵入を想定していない

シートを敷いた範囲の内側はきれいなのに、フェンス際・側溝際・建物際・構造物のまわりだけ草が出ている。これも定番です。

雑草は敷地の外や境界から回り込んで侵入してきます。シートの端をただ地面に置いただけでは、端の下に潜り込まれます。

対策

  • フェンス際・側溝際・構造物際は、シートを立ち上げて処理する
  • 立ち上げられない場所は、ピン間隔を詰めて隙間なく押さえる
  • 隣地から竹や笹の地下茎が侵入している場合は、境界部を重点的に処理する
  • 植栽枡のまわりも同様。切り欠いた部分はテープで端部を塞ぐ

原因4:砂利の厚みが適切でない

砂利仕上げの現場で起こります。薄すぎても厚すぎても問題が出るという、少し意外なポイントです。

薄すぎる場合:シートが露出して紫外線が当たり、被覆下なら半永久的にもつはずのシートが数年で脆化します。せっかく覆っているのに、覆っている意味がなくなります。

厚すぎる場合:砂利の層が厚いと、そこに飛来した土砂や落ち葉が溜まり、シートの上に薄い土の層ができます。そこに種が落ちれば、シートとは無関係に草が根を張ります。「シートは無傷なのに草が生えている」という現場は、たいていこれです。

対策

  • 砂利厚は3〜5cmが目安(歩行部は5cm程度)
  • 被覆する場合は、露出用の高耐久グレードではなく被覆下向けのグレードで十分
  • 落ち葉が溜まりやすい場所は、定期的に取り除く

原因5:グレードの選び方を間違えている

これは施工ではなく選定の問題です。2方向の間違いがあります。

薄すぎるグレードを露出で使った

100g/㎡ のような薄手のシートを、覆わずに露出のまま長期運用すると、紫外線で3〜5年で脆化します。触るとボロボロ崩れる状態になり、当然そこから草が出ます。100g/㎡ は造成前の仮管理や遊休地の一時対策向けで、10年運用する現場の製品ではありません。

強雑草地に標準グレードを使った

竹・笹・ススキ・セイタカアワダチソウは、通常のシートを物理的に突き破ります。地下茎の力は想像以上に強く、標準グレードでは止まりません。該当地では、厚さ約3mmの 600g/㎡ など貫通抵抗の高いグレードを選ぶ必要があります。

対策

  • 露出のまま長期運用するなら、耐用年数に見合った密度を選ぶ
  • 砂利・人工芝で覆うなら 300g/㎡ で十分(被覆下なら半永久)
  • 竹・ススキがある土地は 600g/㎡ + 境界部の侵入対策をセットで設計する
逆に、過剰なグレードを選ぶのもムダです。 砂利や人工芝で覆う施工なら紫外線は当たりません。300g/㎡ で半永久的に機能するところに 600g/㎡ を入れても、性能は変わらず原価だけが上がります。密度の選び方は 「防草シートの g/㎡ とは?密度で選ぶ5段階の目安」 で詳しく解説しています。

チェックリスト

施工前に、この6項目を確認してください。

  1. 刈払い後、整地・転圧をして突起物を取り除いたか
  2. グレードは「覆うか露出か」「何年もたせるか」から選んだか
  3. 重ね幅は10cm以上(法面は15〜20cm)確保したか
  4. ピンは約50cm間隔で、端部・重ね部は詰めて打ったか。ワッシャーは併用したか
  5. フェンス際・側溝際・構造物際の侵入対策をしたか
  6. 砂利仕上げなら厚み3〜5cmを確保したか

どれも施工前に決まることばかりです。敷いてしまってからでは直せないので、着工前に一度確認することをおすすめします。

現場条件に迷ったら

「うちの現場はどのグレードで、重ね幅とピンはどうすればいいか」という具体的なご相談も承っています。面積・用途・仕上げ方法をお知らせいただければ、選定と必要数量(シート・ピン・テープ)の算出まで無償で行います。

施工手順書もお付けしていますので、作業される方が変わっても品質を揃えられます。

よくある失敗と回避策をもっと見る / 用途別の推奨グレードを見る